顔面神経麻痺
 顔面神経麻痺を考える6.1 後遺症編3
 病的共同運動の強調       こんた治療院
 
    

 

 今回のお話は、小児の顔面神経麻痺からのお話を受けて、なぜ私は低周波や顔の運動をさけるのかを執筆したいと思います。これはあくまで私個人の考えに基づくもので、自分が30年もの臨床経験により持論としての内容です。私の臨床事実として、顔面神経麻痺のみならず総ての麻痺の治療に、電気を使った治療は一切しておりません。特に顔面神経麻痺にはこの病的共同運動を封じ込める為に努力をする事は、治療にたずさわる総ての関係者が研究する必要があると考えています。
 私は小さな治療院でも、こうした考えを持ちながら臨床を続けているというちょっと堅苦しいお話ですが、おつきあい下さいませ。
 


小児の顔面神経麻痺治療を参考に、
大人の病的共同運動の強調を抑制させる。
 

 先にコンテンツで『顔面神経麻痺を考える7 小児の顔面神経麻痺 ケア編』をアップしましたが、実はこの顔面神経麻痺を考える6.1はその前にほぼ出来上がっていました。しかしながら、私のところへは子どもの顔面神経麻痺の相談のメールも多く寄せられ、何か良いネットでの表現方法は、ないかと考えていました。
 私の持論である、病的共同運動の強調予防策として顔の運動や低周波治療をすすめないという事の理由の1つとして、この小児の顔面神経麻痺の回復の仕方にヒントがあります。ではどんなことがヒントになったかを書いてみたいと思います。

 
子どもはリハビリなんかろくにやらない!
 
 

 ほとんどの子どもは、顔面神経麻痺になると医師からは、「子どもの顔面神経麻痺はすぐ治りますから、様子を見ましょう。」という。実はこれがキーポイント!。確かに医者のいうとうり。子どもはそうした医療を素直に受ける事が難しい。幸いにして子どもの顔面神経麻痺に対する回復力は大人より上である。子どもの実に90%以上はこうしたほっとかれる治療で回復してくるのです。子どもが早期に回復してくる理由については小児編で述べています。
 子どもの顔面神経麻痺の原因で後天性のもので、外傷をのぞけばやはりベル麻痺が多いと思います。ついで多いと思うのが耳炎性で、ラムゼイハント症候群はいるはずであるけれど、私は明確な診断が出たケースは、診たことはありません。この耳炎性においては急性中耳炎の子どもが、顔面神経麻痺になることが多いのではと思います。なにせ子どもの治療例は大人に比べて少ない(平成29年現在は、0歳児〜6歳児は年間平均3人)なので、この程度しかわかりませんが…。

 
 
子どもは遊びや生活の中でリハビリをする
 
 

 子どものリハビリについては、理学療法においてその運動療法は、なかなか大人のやるようには自主的にできるものではありません。療法士がサポートして行う他動運動が主軸になっています。子どもが自主的に動かす自動運動をするとすれば、それは遊びの中で行う動作において自然に行っています。療法士もそうした遊ぶ=自動運動と考えて、リハビリの半分はこうした環境を作って子どもを動かせます。子どもは自分からする行動ならば、すすんで楽しくやりはじめるのです。
 では、顔面神経麻痺についてはどうなんでしょう?。実は、ほとんどリハビリらしい特別な運動はしません。生活に必要な動き意外は休憩時間が長い〜事。でもこれが結果的にいいのです。つまり自然に回復する事が、再生する神経を無理に誘導する事をしなくしていると私は考えています。大人にみられるような症状のひどい病的共同運動が子どもにはみられないのは、こうした事があるのではと、子供を多く診察している私は考えたからなのです。今でもその考えに変更はありません。

 
 

 
大人も顔の運動は無理にはしてはいけない
 
 

 無理な顔の運動(自動運動)や顔に行う低周波は、神経の治療ではなく顔の筋肉を動かす目的で行う、いわば筋肉の運動です。つまり神経の治療ではなくむしろ筋肉を使って神経再生をうながすとしたら、病的共同運動を強調するには逆に絶好の方法なのではと思っています。
 末梢神経は再生する神経です。自分で帰る場所を知っているのです。私達はそれを必要以上に行う事は過剰な刺激になると思ってよいのではと思います。神経の再生スピードは1日1ミリないし1.5ミリのスピードです。これは神経伝達のスピードの3段階中の最も遅い低速の伝達スピードと同じです。しかしながら、臨床上こうした学問上のデーターに匹敵する結果が出ないのは、きっとみなさんも気持がやきもきするところだと思います。もちろんこの私もやきもきしています。

 
 
神経回復にあせりは禁物!状況に合わせてコンディションを整える
 
 

 神経の回復する条件を整える事が、この顔面神経麻痺には必要です。そのためには血行改善策をまず第一に考えます。神経を栄養する血管と血液の流れを保持する事が大切です。ケースによってはこうした血管炎が主な原因で顔面神経麻痺が起こります。多くの場合、神経回復と血管回復の両面を考える事が必要なのです。この事に関してさらに<顔面神経麻痺を考える19 神経回復の条件>で詳しく書いております。
 あとはみなさんの私生活において、できるだけそうした条件を満たす時間をつくてあげられるかという事です。なかなか難しいでしょう?だからそのために私はいるのです。そうした環境を少しでも整える為に、医療として必要な部位には治療をしながら身体全体の疲労をとって回復のためのコンディションを整えてゆくのが私の行っている治療方法なのです。
 多くの医師達は鍼に対する違和感があるようですが、私達の治療はWHO(世界保健機関)が認めた医療です。本当に麻痺を治す為に、あなたの先生は、患部を手でさわって、ひとり一人の顔にふれていますか?理論だけでお薬を処方して細かい話もせずに様子を見るだけの治療をしていませんか?そうした人たちが疑問をいだきながら、私達の治療におとづれるのです。重度の麻痺であると無理だといって自分の手から患者を放してしまう。そうした人たちが何をして明日への希望をつなげるか、そうした患者の立ち直る場所が違和感を感じた私達の治療法なのですよ。この気持は私だけのものではありません。そうされた患者さん達の思いなのです。医師と鍼師を結ぶラインはいつになったら良くなるのでしょう。
 私は医師との連絡をよくとるほうだと思いますが、はなから鍼灸師に話してもしょうがないという態度の先生もいます。患者さんのためにが、第一でしょう?。それが医療という仕事なんですから。
 こうした悪いコンディションの中で、善いコンディションを整えるためにみなさんが努力をされていると思うと、こうした治療事情も大変だと思います。メールでも医師が鍼治療を許可しないというケースが多いですが、許可しない理由が鍼に対する違和感だとしたら、WHOに聞いてほしいと思います。

 
 
医師の中には本当に理解してくれる先生もいる
 
 

 医師の中には本当によく理解してくれる先生もいます。処方したい薬が患者さんの身体に合わない為にどうしたらよいのか、鍼治療でカバーできるかどうかなど細い点を打診していただける先生もいます。
 こうした環境がつくれることが顔面神経麻痺をやっつけに行くために常備されていると、みなさんにとって良い環境の提案が医療サイドからできると思います。病院へ通院しながら鍼治療ができる、自分の事を医師と鍼師が話し合ってくれているという環境をつくりたいなと思います。

 
 
顔面神経麻痺を考える6.1のまとめ
 
 

 病的共同運動についてのなぜ?に1つ、私の考えを書きました。ヒントは子どもの麻痺の回復の仕方に私の考えがあるということです。しかしながら大人と子どもでは回復の条件が違います。だからこそ医療として手助けをする必要があるのです。その手助けの方法を考える事が医療のために必要だと提案します。もちろんこの私もそうした部分において考えた方法を、治療として行っているのです。
 医術においては10年前に正しいとされた事も、現在では適当でないとされることもあります。私は自分が適当でないと思った事は、なぜ適当でないかを追求しながら今できる最善を捜したいと思います。それは今も尚、私は現場にいてみなさんを治療中なのですからのんびりはできませんね。

 


顔面神経麻痺を考える

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顔面神経麻痺を考える1 総合

 顔面神経麻痺を考えるtop

顔面神経麻痺を考える2 ケア編

 顔面神経麻痺のケアについての特集をしています。お口の体操やマッサージの仕方を載せてありますので、御覧になって下さい。

顔面神経麻痺を考える3 心理編

 顔面神経麻痺を考えるをUPしてから、皆さんからの相談メールが連日の様に届きます。その中には、実は自分の子供、親や兄弟、友達や恋人を心配してどの様にケアしてゆくのか?どう接していったらよいのか?という本人以外の人の問い合わせも多いのです。
 そこで、私が顔面神経麻痺になった時の経験を生かして、お互いにどう接したらよいのかを考えてみました。

顔面神経麻痺を考える4 原因究明編

 皆様の疑問や相談に関してもっとも多かった内容をピックアップして考えています。それにより少しでも皆さんの不安要素の解決につながるお手伝いができたらと思います。

顔面神経麻痺を考える5 後遺症編1

 顔面神経麻痺の後遺症についてのお話です。顔面神経麻痺の患者側にとっての最大のポイントは、後遺症といっても過言ではありません。医療側にとってはその原因追究が主たるもので、症状が落ち着くと神経麻痺の回復がどれだけか評価表をつけるだけの作業の様子。『調子はどうですか?』と聞かれ、答えると『これには時間がかかりますからね〜っ』という返事。
  本当にこんな事で神経は回復するのか?自然に回復するのか?…。

顔面神経麻痺を考える6
 後遺症編 2 
病的共同運動を回避する

 顔面神経麻痺の回復期に起こる共同運動についてのお話、後遺症についての第2弾です。顔面神経麻痺を考えるを執筆する様になって、平成13年の11月にUPした顔面神経麻痺についても今回で6枚目のUPになります。
 病的共同運動については当時からたくさんの質問メールが届いていました。来院される患者さんにも質問を受けてお話をする事も当然多くありました。そんな病的共同運動についての問題は非常に複雑な内容です。

顔面神経麻痺を考える6.1 
後遺症編 3 
病的共同運動を考える

 なぜ?低周波や顔面の運動(自動運動)を推奨しないのかを書きました。実質的に後遺症についてのお話で第3弾です。小児の顔面神経麻痺と合わせてみていただくと理解しやすいと思います。
(H18.3.10up)

顔面神経麻痺を考える7 
小児の顔面神経麻痺 ケア編

 小児の顔面神経麻痺についてケアを中心に書きました。子どもの辛さを具体的に生活を通じての御両親へのアドバイス事項です。大人が子どもの辛さを理解する事で、顔面神経麻痺をやっつけるための内容です。(H18.3.5up)

顔面神経麻痺を考える8 
顔面体操や顔の運動について

 顔面の体操や運動はいけないというお話です。顔面神経麻痺を考える6の問題で病的共同運動を強調させる事なく、回復の経過をみつめる事が重要であると考えています。(H19.3.22)

顔面神経麻痺を考える9 
顔の表情

 顔面神経麻痺になったら、ポーカーフェイスで過ごせという指導に疑問あり。心の問題も抱えるこの病気に、更に追い打ちをかける事は許されない!(H19.5.26)

顔面神経麻痺を考える10
顔の痛み 三叉神経痛

 顔面神経麻痺に出てくる顔の痛みについてのお話です。発症時から出てくる痛みと神経回復と同時に出てくる痛みのお話です。発症時から出る顔の痛みは大勢の人が訴えますが、その痛みはすぐに加療とともに落着いてきます。しかし、三叉神経痛として痛みの出るケースもあるのです。(H19.9.24) 

  顔面神経麻痺を考える<番外編>です。
 (H19.10.27)

顔面神経麻痺を考える12
トリックモーションと共同運動
アブミ骨筋性閉塞性耳鳴り

 アブミ骨筋性の耳鳴り(閉塞感をともなう)について書いています。(H19.12.14)

顔面神経麻痺を考える13
妊娠 出産

 顔面神経麻痺になった、妊婦さんや産後のお母さんのためのコンテンツです。(H20.1.14)

顔面神経麻痺を考える14
小児の生活指南、マッサージ

 小児の顔面神経麻痺2。生活指南と小児の顔のマッサージを書いています。

顔面神経麻痺を考える15 
ホウレイ線 について

 病的共同運動の強調と顔の運動による各筋肉の強調などを考えてゆく上で、こうした状況を少しずつお話ししてゆきたいと思い書いてみました。(H21.4.1)

顔面神経麻痺を考える16
原因究明編2

 ベル麻痺(原因不明)と診断を受けていても、経過の観察次第では違ってきたということもあります。こうしたケースなどは受診した科によって初期診断、検査方法が違う為に起こってきます。私たちは2度とこの麻痺を起こさない様にする為に、自分の麻痺の原因を追求せねば予防には繋がりません。(H22.6.6)

顔面神経麻痺を考える17
末梢性顔面神経麻痺の神経再教育

 末梢性顔面神経麻痺の神経回復時における、病的共同運動の強調をおさえること、これすなわち神経再教育の仕方をどうするかという事を考えなくては治療に結びつく事をができないというお話です。(H22.12.20)

顔面神経麻痺を考える18
回復の兆候

  私の臨床における主観的内容です。麻痺した神経が動き出す前に回復しているとなぜ解るのか。(H23.9.1)

顔面神経麻痺を考える19
回復の条件

 末梢性の顔面神経麻痺を回復させるために必要な条件を考えます。(H23.12.2)

顔面神経麻痺を考える20
不全麻痺と完全麻痺

 末梢性顔面神経麻痺の不全麻痺と完全麻痺について書いています。(H24.6.16)

顔面神経麻痺を考える21
随意運動と不随意運動

 顔を動かすという筋肉 表情筋。その表情筋は随意運動と不随意運動の2つからなる運動を表現している。 (H25.11.21)

顔面神経麻痺を考える22
水痘ウィルス

 水痘ウィルスに関して、私流の解説をしています。(H26.6.18)

 こんた治療院の治療室で、皆さんとお話している事など書いてみました。(H26.10.22)

顔面神経麻痺を考える24
食生活

 食生活について書いてみました。(H27.2.16)

 

 私自身も、この目に見えない得体の知れないストレスにもちろん困惑した事もありますし、他人から見れば何だそんな事と思われる内容であったと思います。いま冷静にその時の状況から分析すると、自分から見ても小さい事であったと認識しています。
 ではなぜそのような事をストレスとして受けとめてしまったのか…、をまずは初めに考えて行きましょう。

 顔面神経麻痺について専用BBSをもうけました。いろいろな事をみんなで話し合えるところを作ってみました。顔面神経麻痺を考えるを読んだ後にでも立ち寄って下さいませ。
  たくさんの人の書込みありがとうございます。みなさんが心から勇気が持てる掲示板になりました。本当に感謝いたします。

ご相談などありましたら、<治療の窓>にメールボックスが設置してあります。



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