顔面神経麻痺
 顔面神経麻痺を考える28
 
原因編2
 コロナウイルス関連で引き起こされる問題


  こんた治療院

 

みなさん こんにちは。コロナウイルス感染によって様々な現場からの神経疾患の臨床報告があがってきていますが、現状でのお話として今回は書いてみたいと思います。

新型コロナウィルス(COVID-19)感染及びワクチン接種において、
顔面神経麻痺を発症したとの報告が複数あがっています。

 

 実は皆さんに紹介するにあたって、こう書いた方が分り易いので題目に表しましたが、コロナ感染及びワクチン接種において、ラムゼイハント症候群及び水痘ウイルスによる帯状疱疹の発症報告が複数あます。この問題に関して私は1年程様々な形で観察して来ましたが、現状お話しできる内容として書いてみたいと思います。

 
新型コロナウィルス感染及びワクチン接種がトリガーになるのか?
 

 現場の臨床医の先生方の報告においてこれだけの複数の症例が上げられるからには、それなりの根拠があると思い、その報告を尊重しております。ゆえに私にとっても、今後の問診の際にチエック項目として必要であると思っています。
 ここではまず、コロナウイルスが水痘ウイルスの再活性化を引き起こすトリガー(引金)となる要素は充分にあると思われる項目を1つずつ追って行きましょう。

 
症例患者さんの多くはスーパースプレッターになる要素を持っている
 

 このスーパースプレッターという言葉は、感染すると他人より多くのウイルスを生産し、外部へ放出する人を指します。このスーパースプレッターになり易い人は、糖尿病などの生活習慣病を持っていたり、長期に入院していたりして極端に体力が低下している人や重病者がなり易い事がわかってきました。この様な状況でコロナ感染やワクチン接種をする事によって、身体の中に持っている獲得免疫である水痘ウイルスが再活性化すると考えます。
 実に簡単に書いてしまいましたが、この再活性化に関してはコロナウイルスの構造上の違いで過去に獲得した免疫との反応であるという説と免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Syndorome ,IRS)は、HIV感染症における日和見感染症が悪化するのと同じく免疫細胞が再構築される過程で起きているのではないかとされる説があります。

 
自己免疫性リュウマチ疾患を持つ人は帯状疱疹が出易い?
 

 身体の免疫に関する疾患を持っている患者さんにコロナワクチンを接種すると、水痘ウィルスの再活性化が高確率でみられ帯状疱疹として発症しているとの報告もあるようです。
 自己免疫性リュウマチ疾患は症候群として、自己免疫性筋炎、好酸球性筋膜炎、混合性結合組織病、シエーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、再発性多発軟骨炎、全身性強皮症がある。

 
自己免疫性疾患であるギランバレー症候群も発症する
 

 顔面神経麻痺が両側に出る、ギランバレー症候群ではコロナ感染でも報告がありますが、コロナワクチンでも発症報告があります。自己免疫疾患とは、自身の免疫反応により引き起こされるものであり、私の仕事に多いに関係するギランバレー症候群もその1つです。
 このギランバレー症候群を発症した患者さんは、一般的にインフルエンザの予防接種を控える様に医師から指導を受けていると思いますが、実はインフルエンザワクチンの予防接種で高確率に再発する事が以前から知られており、コロナワクチンでも同じと考える必要があると改めておく必要があり私も積極的に指導してゆきたいと考えています。

 
コロナウイルスは特性上、先行して獲得している免疫への影響がある。
 

 上記の内容によって、コロナ感染及びワクチン接種後1週間内の顔面神経麻痺発症例において、ラムゼイハント症候群を中心に今後は考察をして行く必要があると考えています。また、感染や予防接種の2週間以内の発症においても考察が必要かと思います。

 
コロナウイルスは、一度感染すると再感染し易いという話。
 

 コロナウイルスは、デングウイルス(デング熱)と同じく抗体依存性感染増強(ADE)という感染増強抗体を持たされます。感染者だけでなく予防接種者も同じです。これは、コロナウイルス粒子に結合するだけで感染性を高めるという抗体です。これは、中和する抗体の感染性を防ぐ作用が減弱すると、コロナに感染しやすくなっているという状態になるという事です。これはすでに2021年の中程には知らされていた事実ですので、新しい事ではありませんが、意外にも皆さん一般の方には知られていないお話でした。

 
抗ウイルス抗体と中和抗体
 

 抗ウイルス抗体、いわゆる抗体とは、身体の中で作られるタンパク質の事で、免疫グロブリンと呼ばれています。抗体はいわば免疫に関与し体内に侵入したウイルスに対しての防御を仕事とします。具体的には。、中和作用といって抗体がウイルスと結合して、細胞への侵入や活動を封じ込む作用を指します。また、その手助けをするための体内の物質を呼び集める信号を出す仕事をします。
 中和抗体とは、ウイルスに結合し細胞への侵入と増殖を押さえる能力を指します。

 
治療法として
 

 一般的な通常のファーストエイドを病院で終えた後に、神経麻痺等の問題を鍼治療にて加療してゆくことが基本です。処置としては通常の神経麻痺治療と同じ方法を用います。
 このコンテンツにおいてはコロナウイルスが起因して、帯状疱疹の原因である水痘ウイルスの再活性化、自己免疫疾患の発病報告が多数あるという事においての内容です。

 


シリーズ 顔面神経麻痺を考える

 このフレームをご利用いただくと、コンテンツ1〜総てまでの閲覧が便利です。

 顔面神経麻痺を考えるtop

 顔面神経麻痺のケアについての特集をしています。お口の体操やマッサージの仕方を載せてありますので、御覧になって下さい。

 顔面神経麻痺を考えるをUPしてから、皆さんからの相談メールが連日の様に届きます。その中には、実は自分の子供、親や兄弟、友達や恋人を心配してどの様にケアしてゆくのか?どう接していったらよいのか?という本人以外の人の問い合わせも多いのです。
 そこで、私が顔面神経麻痺になった時の経験を生かして、お互いにどう接したらよいのかを考えてみました。

 皆様の疑問や相談に関してもっとも多かった内容をピックアップして考えています。それにより少しでも皆さんの不安要素の解決につながるお手伝いができたらと思います。

 顔面神経麻痺の後遺症についてのお話です。顔面神経麻痺の患者側にとっての最大のポイントは、後遺症といっても過言ではありません。医療側にとってはその原因追究が主たるもので、症状が落ち着くと神経麻痺の回復がどれだけか評価表をつけるだけの作業の様子。『調子はどうですか?』と聞かれ、答えると『これには時間がかかりますからね〜っ』という返事。
  本当にこんな事で神経は回復するのか?自然に回復するのか?…。

 顔面神経麻痺の回復期に起こる共同運動についてのお話、後遺症についての第2弾です。顔面神経麻痺を考えるを執筆する様になって、平成13年の11月にUPした顔面神経麻痺についても今回で6枚目のUPになります。
 病的共同運動については当時からたくさんの質問メールが届いていました。来院される患者さんにも質問を受けてお話をする事も当然多くありました。そんな病的共同運動についての問題は非常に複雑な内容です。

 なぜ?低周波や顔面の運動(自動運動)を推奨しないのかを書きました。実質的に後遺症についてのお話で第3弾です。小児の顔面神経麻痺と合わせてみていただくと理解しやすいと思います。
(H18.3.10up)

 小児の顔面神経麻痺についてケアを中心に書きました。子どもの辛さを具体的に生活を通じての御両親へのアドバイス事項です。大人が子どもの辛さを理解する事で、顔面神経麻痺をやっつけるための内容です。(H18.3.5up)

 顔面の体操や運動はいけないというお話です。顔面神経麻痺を考える6の問題で病的共同運動を強調させる事なく、回復の経過をみつめる事が重要であると考えています。(H19.3.22)

 顔面神経麻痺になったら、ポーカーフェイスで過ごせという指導に疑問あり。心の問題も抱えるこの病気に、更に追い打ちをかける事は許されない!(H19.5.26)


 顔面神経麻痺に出てくる顔の痛みについてのお話です。発症時から出てくる痛みと神経回復と同時に出てくる痛みのお話です。発症時から出る顔の痛みは大勢の人が訴えますが、その痛みはすぐに加療とともに落着いてきます。しかし、三叉神経痛として痛みの出るケースもあるのです。(H19.9.24) 

  顔面神経麻痺を考える<番外編>です。
 (H19.10.27)

 アブミ骨筋性の耳鳴り(閉塞感をともなう)について書いています。(H19.12.14)

 顔面神経麻痺になった、妊婦さんや産後のお母さんのためのコンテンツです。(H20.1.14)

 小児の顔面神経麻痺2。生活指南と小児の顔のマッサージを書いています。

 病的共同運動の強調と顔の運動による各筋肉の強調などを考えてゆく上で、こうした状況を少しずつお話ししてゆきたいと思い書いてみました。(H21.4.1)

 ベル麻痺(原因不明)と診断を受けていても、経過の観察次第では違ってきたということもあります。こうしたケースなどは受診した科によって初期診断、検査方法が違う為に起こってきます。私たちは2度とこの麻痺を起こさない様にする為に、自分の麻痺の原因を追求せねば予防には繋がりません。(H22.6.6)

 末梢性顔面神経麻痺の神経回復時における、病的共同運動の強調をおさえること、これすなわち神経再教育の仕方をどうするかという事を考えなくては治療に結びつく事をができないというお話です。(H22.12.20)

  私の臨床における主観的内容です。麻痺した神経が動き出す前に回復しているとなぜ解るのか。(H23.9.1)

 末梢性の顔面神経麻痺を回復させるために必要な条件を考えます。(H23.12.2)

 末梢性顔面神経麻痺の不全麻痺と完全麻痺について書いています。(H24.6.16)

 顔を動かすという筋肉 表情筋。その表情筋は随意運動と不随意運動の2つからなる運動を表現している。 (H25.11.21)

 水痘ウィルスに関して、私流の解説をしています。(H26.6.18)

 こんた治療院の治療室で、皆さんとお話している事など書いてみました。(H26.10.22)

 食生活について書いてみました。(H27.2.16)

 顔面神経麻痺を考える25  顔のしびれを伴うもの 三叉神経の損傷による知覚障害(H30.4.25)

 鍼治療と顔面神経麻痺 1 (R1.10.7)

 鍼治療と顔面神経麻痺 2  (R2.10.)

 顔面神経麻痺を考える28
 
原因編2 コロナウイルス関連で引き起こされる問題
 (R5.7.31 up) 
 私自身も、この目に見えない得体の知れないストレスにもちろん困惑した事もありますし、他人から見れば何だそんな事と思われる内容であったと思います。いま冷静にその時の状況から分析すると、自分から見ても小さい事であったと認識しています。
 ではなぜそのような事をストレスとして受けとめてしまったのか…、をまずは初めに考えて行きましょう。
 顔面神経麻痺について専用掲示板(BBS)をもうけました。いろいろな事をみんなで話し合えるところを作ってみました。顔面神経麻痺を考えるを読んだ後にでも立ち寄って下さいませ。
  たくさんの人の書込みありがとうございます。みなさんが心から勇気が持てる掲示板になりました。本当に感謝いたします。
 鍼治療が苦手だという気持ちは充分解ります。
ご相談などありましたら、<治療の窓>にメールボックスが設置してあります。
神奈川県小田原市栢山2910-11 こんた治療院 tel 0465-37-2299




当サイトに掲載のイラスト・記事・写真などの無断転載、無断使用を禁止します。
Copyright (C) こんた治療院 All Rights Reserved.