私たちが日頃から肋間神経と呼ぶ神経は、胸神経の前枝を肋間神経と呼びます。この肋間神経は肋間隙の上位肋骨の下縁に沿い、内外肋間筋の間を走行し、第1〜6肋間神経は胸骨縁に達します。胸骨とは胸の真ん中にある骨です。第7〜12肋間神経は下位ほど、背中から斜に前下方に走り、内腹斜筋と腹横筋の間を通って身体の前中央(白線)へ達します。 つまり背中から上部は肋骨に沿って胸の前に、下部はお腹の前に神経が走っているのです。
肋骨の骨折やその後遺症として出現する場合。胸椎の圧迫骨折。胸部、背部の打撲によるものなど。
寒冷によるものや、女性ですと生理の度に胸が痛くなる(乳腺炎とは別)という人もいます。
肋間神経痛のケアは、その原因によって変わってくるものと考えましょう。 ヘルペスが起こっている場合には、帯状疱疹の状況により入浴などの支持が医師よりでますので、ケアの基準を医師にお尋ねになって下さいませ。また、注意として、水痘ウィルスが原因であるという場合は、1歳未満の幼児は水疱瘡として感染しますので予防を心がけて下さいませ。
症状が安定期に入ったものや、後遺症や寒冷によるものなどは、入浴などで温めてあげると緩和できる事があります。しかし、昨今は入浴のスタイルが半身欲を推奨する時代になっておりますので、この事を考慮に入れるとタオルなどで患側の胸部を覆う様に(肩からひっかけるように)して温めるなどをするとよいです。
この肋間神経痛は深呼吸時や、女性ですと洗濯物を干す動作など腕をバンザイした形に持ってゆくと痛みが強くなります。シャツのそでを通す時なども痛みを感じます。人によっては洋服の生地が擦れるのも痛いという人もいました。 この様な事を考えると肌に見につける物は柔らかい余裕のあるものがよいと思います。なるだけ過剰な刺激しない配慮をするためです。
痛みの為に睡眠不足になる事が多いです。 肋間神経痛は胸だけでなく、背中から胸にかけての肋間にそって痛みが生じます。その為に側臥位になってお休みになる事が良いと思いますが、心疾患を抱えている人ですと左側を下にした状態では問題が発生してしまいます。 日中など少しでもお休みになれる機会を作って、体力低下を防ぎましょう。
この肋間神経痛には鍼治療が非常に効果があります。肋間神経痛に対する鍼の効果は、医学会でも認めています。しかし、病院などでは鍼治療に技術を要する為に、専門の治療家を常時待機させておく事は無理があるようです。従って、肋間神経痛の治療は私達の鍼治療の術式を持って痛みを止める方法がより効果的であると確信しています。
私と肋間神経痛との出合いは、1989年の中国での病院から始まっています。中国での肋間神経痛は主にヘルペスウィルスによる帯状疱疹からの肋間神経痛が多かったです。 この帯状疱疹の状況からすると、比較的に帯状疱疹が出始めてピーク時からの治療を担当する事が多かったです。私の記録からすると男性より女性の臨床例が数多く残されていました。年齢でいうと50〜60代の人が多くみられました。 鍼治療はこの痛みを取る事が非常に効果があると考えています。