脳血管障害発病
ショック期 |
血管支配領域の脳神経(細胞)への血液の供給が断たれ、血管支配下の中枢神経機能のダウン。運動神経に関しては片麻痺症状として、ショック期には手足の筋肉の弛緩(しかん)がみられ、体幹の半分も弛緩し、立位を確保する事もできない状況になる。仰臥位にて体位の確保をしながら、痙性期に備えての手足の肢位を確保する。
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安定期 |
意識障害からの脱却ができ、バイタルサイン(血圧等)も安定してくる。ベットサイド上ではリハビリが立位確保に向けて準備。歩行訓練に向けての実質的なリハビリに入る。安定期になると早い人では手足を動かす事ができる様になりますが、歩行はまだできません。坐位確保が目安になります。
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回復期
初期 |
自分で動かす事が少しづつでき、手足の動きがみられるようになりますが、同時に痙性麻痺が起こる時期でもあり、関節の拘縮予防や安静時の体位の確保も重要になります。痙性を最小限に抑えて、神経を回復させる為の努力が更にここから求められます。
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回復期
中期 |
運動神経(末梢神経)の回復のスピードより、屈筋痙性の強調のスピードが目立つ様になり、自然に上肢の関節ならば屈曲位を呈し、手を抱え込むような姿勢をしてくる。下肢においては歩行時に足を振り回す、『ぶんまわし歩行』が見られる様になる。これらは痙性が主導権を握っているために、動作時に各関節が屈筋痙性により運動を抑制し始めた状況です。こうした状況の中で痙性の強さに応じた理学療法の指導方向が決定してきます。
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回復期
後期 |
理学的指導を受けて、自立訓練も日常生活動作(ADL)を念頭に帰宅後の生活がある程度見込める段階になってきます。歩行訓練やぺグボード(指先の細かい動作をボードにコマを差し込みながら修得するもの)を使った訓練をして、日常生活動作で具体的にトイレや食事の指導もしてきます。
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後遺症期 |
退院もでき、自宅にて療養をしながら自主訓練を行います。初期には通院してリハビリの訓練を受けますが、後期には自主的訓練が大半をしめてきます。医療的指導を離れてくると、実際には病院で訓練した指導も忘れ、歩行も自己流になりバランスの悪い歩き方や、上肢の使い方も上手くいかないなどの問題もでてきます。神経回復も終末を向かえて、運動機能も固定されてくる時期でもあります。
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