坐骨神経は人間の末梢(まっしょう)神経の中で、一番太くて長い(1メートル以上)神経です。この神経根部は腰椎から出て、おしりのところ(坐骨)を経て下肢へゆき、途中2つに別れて一方の先端は足底へ、もう一方は先端が足背にとどきます。そのため、部位によってさらに神経に名前が細かくつけられていますが、一般的にこの長い神経ルートを総称して坐骨神経と呼んでいます。
この坐骨神経は2つの顔を持っています。一つは知覚神経という仕事を担当します。そのため神経にトラブルが起きますと痛みやしびれを引き起こし知覚鈍麻などの知覚障害が出現します。もう一つは運動神経という仕事を担当します。そのため神経にトラブルが起きますと疼痛性跛行(はこう)といって痛みとともに足をひきずる歩行をしたりと運動が困難になったりします。