今回のお話は女性の月経の問題ですが、是非とも男性にも理解して欲しいという気持ちを込めて、この月経前症候群を考えてゆきたいと思います。現代女性の悲痛のポイントがPMSという言葉で表現されているならば、むしろその事に踏み込んでの考えを治療家として、こんた治療院が提案してゆきます。
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PMS(Premenstrual Syndrome),月経前症候群とは。

 女性が月経前になると、下腹部の痛みや肩こり、頭痛、腰痛、便秘や胸の張り、加えて精神的に怒り易くなり、イライラが激しくなったり、憂うつになったり、眠気が増したり、帯下(おりもの)が気になる等の症状が特に強く不快に感じる事を月経前症候群と称しています。また一番の問題点として、情緒が著しく不安定になる重度のタイプは、各専門科の医師の治療が必要になる事も付け加えておきます。
疾病として考えるのか?
 女性の身体の生理的活動の1つと考えられるこの状態に、疾病の文字は使用できません。多くの女性が不快と称しているこの時期の、不安定な体調は、女性の生理的な一部として尊重して考えなければなりません。私たちの治療はその上で、マッサージや鍼でサポートできる項目をピックアップしたものを治療の対象と考えます。もし疾患とすると、この不快な症候群にあてはまるとされる人は、実に女性の50%以上の人が、更にもっと高い数字を示す統計のものまで出ているため、症状だけをみてゆくと混雑して、境目がハッキリとされない事にもなってしまいます。
しかし情緒的な不安定が強調されると。
 PMSが引き起こしたとされる、情緒の不安定は、現在はこんな所で問題になっています。例えば、犯罪や暴力への移行です。幼児の虐待などでもこのようなPMSによる情緒不安定が引き起こしたとされる例があるようです。他国では刑事事件の際に、このPMSの有無を考慮に入れて裁判を行うそうです。また薬物の乱用や、アルコール依存症へのきっかけもこのPMSが関与している事があるそうです。
 この場合ですと月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)といって、PMDDと言われるものに区分けがされています。PMSでも特に情緒不安定が強調されているもので、著しい抑うつ気分、強い不安、不安定な情緒、興味の減退等の症状が12ヶ月以上、月経周期の黄体期の最後の週に定期的に現れ、月経が始まって、3日程度で寛解しはじめるもので、一般的には10代〜20代にかけて発症し、徐々に症状が重くなり、閉経とともに症状が寛解する事が多いというものにあたるそうです。こういった重篤な場合は、やはり心療内科の医師の担当するものであると理解し、専門医の診察を受けるのが優先です。
このまま、ほっといてよいのだろうか。
 現代の認識としてPMSが認識されてきましたが、過去においてはこのような認識は、まだおぼろげな部分が多かったと思います。しかし認識とは別に、女性の身体の変化を調整して行く方法は、以前からありました。それが私たちの行っている鍼マッサージの分野です。主に中国医学では情緒の変化を重要視しています。PMSで出現する諸症状には、中医学ではタイプ別に分けてすでに治療法として何世代にも引き継がれて来ております。皆さんの先輩に当たるお母さんや、おばあちゃんも古くからこのように私たちの治療によって、不安定な時期を乗り越えていったのは事実です。しかし核家族化が進む中で、アドバイスをしてくれる良き理解者が近くにいない場合は、その糸口を見出せないまま、個人的に悩みをかかえる状況に追い込まれ易いようです。まず先輩方の意見等を参考に、この不安定な状況を改善する手段として私たちの治療を受けてみる事をお勧めします。軽度のものであれば治療後すぐに寛解し、すっきりとします。
 原因
PMSにはホルモンが関与しているという説が今のところ有力です。
 女性は妊娠の環境づくりの為に、体内では1月に1度の変化が起きます。人間は他の動物と違い、1年間で12回の機会を与えられます。PMSの症状が強調されるのは、この月経前期に多い事から、必然的にその時期に女性の身体に起こる変化を観察してゆくと、身体の中で増加するものが解ってきました。それがホルモンなのです。とりわけ黄体ホルモン(エストロゲン)とプロゲステロンの2つを着目している様です。
ストレスによる外的要因も
 外的ストレスによるものが、内因に影響を与えると考える説もあります。いわゆるストレス説です。ストレスが多い女性にPMSが多いという学者もいるようです。
こんた治療院は、中国医学の見地からこう考えています。
 中国医学ではこの時期の体調の変化を、物質バランスで例えて、治療作業としては、妊娠できるコンデションに整える事と同一の治療を施して行きます。急激な身体の変化(排卵と月経)に、体調が追い付いて行かない場合に起こると考えているからです。ですから訴える症状を重視しながら、その女性の全体像を把握して行きます。この事から考えると、妊娠できる条件の割合いとの関わりがある様な気がします。あくまで私個人の考えですが。

家庭環境を改善
男性もこのPMSを理解しよう!
 女性はこのPMSという問題に関して、女性雑誌や健康サイト、個人サイトなどで認識度が非常に高いと感じています。しかし男性となると、この言葉を目や耳にする機会が意外と少ないのです。つまりこの事は、女性を理解する上で非常に重要であるにもかかわらず、デリケートな部分でもあるため、なかなか触れにくい部分でもあるからです。特に結婚している御夫婦では、積極的に御主人が知る事によって解決の糸口が見つかるケースもあると感じます。
 女性が受ける不快感を男性が理解する事は、身体の仕組みからいって不可能に近い答えが用意されていると思います。しかし現代では科学的にも女性の月経前期におけるホルモンバランスの問題を指摘している以上、もっと月経前期の事を女性だけではなく、男性も勉強する事によって、より良い女性の生活環境が保障されてくると思います。
 理詰めで世の中の社会的な枠組みを設定しているのは、ある意味においては正論ではありますが、家庭という環境ではもっとリラックスできて柔軟な場所を基づく事ができると思います。その家庭が張り詰めていると、安らぐ場所が見当たらないなど不安材料が増えて行きます。そこで、その提案としてPMSも考慮に入れながら、是非とも御夫婦でご家庭がリラックスできる環境づくりを心掛けて欲しいと思います。すでに自然にできている御夫婦も多いと思いますが、意識をする事によって更に良い環境が次世代(子供達への影響)への手本となると感じています。私も男性として日々努力をしていかなくてはと反省のくり返しです。 女性のほとんどの人がこの不快感に悩まされているというならば、私たち男性も積極的にサポートしてあげましょう。

 また 、がんばろうという励ましの言葉より、寄り添うという感じで見守ってあげる事が大切です。ぼちぼちでいいじゃないかという事の方が、リラックスに値します。精神面でのサポートはこうした心がけのもとに、御主人もだんだんと上手にできてきます。しかし強い抑うつと感じたら、専門的には心療内科の先生の御指導を仰ぐ事が良いと思われます。その際は御夫婦で行く事が大事だと思います。例え診察は奥さん1人で受けるとしても、同じように御主人も認識する事が大事だからです。
社会環境を改善
 会社でも部下や同僚に理解を!
  この女性の月経前期に表れる症状において、本人の意志では押さえる事の出来ないイライラや急に怒りっぽくなったり、うつ状態になったりして、症状の強調されてしまう時は、仕事や生活が安定して出来ない状態になります。会社などでは、上司が女性の場合は理解がありますが、男性の場合はその点理解に欠けるところが多いのではと思います。現代においてもっと男性は女性の身体の仕組を学習することによって、仕事等がスムーズにゆく手段を見出せる事につながる様な気がします。
 生理休暇などあっても取れないとかでは、この様な問題には形の上での解決でしかできていません。女性の頭痛休暇というお休みを設定して、実践している企業もTVで見た事がありますが、すばらしい会社だと思いました。会社がいかに女性を尊重し、理解をしているかが解ります。例えば私がお客として会社に出向いた時に、女性が生き生きとにこやかに気持ちよく仕事をしている職場は、仕事柄どの様な管理をしているのか興味があります。同時に上司の指導力を高く評価し、とても勉強になります。より良い環境の中で気持ちよく仕事をしたいと思う事が実践されているという事です。この事については男女共に同じ意見であるはずです。その為にはまず女性が気持ちよく仕事ができる環境づくりが必要であると強調します。
学校環境を改善
 学校でも先生が生徒への気遣いがあるのだろうか?
  特に思春期の少年少女の情緒は、不安定になりがちだということは誰もが知っている事ですが、特に女性の場合このPMSが絡むと、周りの目からは性格的な評価で見られ易くなりますが、これが本人にとって非常に辛い事が多いと思います。思春期と重なる事で、その反動は非常に大きくなると考えられます。ここは先輩であるお母さんのアドバイスの出番です。女性同志の話をする事で、子供にとっては対等に話ができるということ、母としてよりむしろ先輩として話す事で、ゆっくりとした話し合いの場が設定できると思います。話し合いを持つ事でまずは情緒が変化する不安を取り除いてあげましょう。
 また学校では教師もこの様な問題を認識した上での、生徒指導が行われる事を希望したいと思います。平素は非常に明るい生徒でも、不安定な時期には情緒が乱れ易くなります。しかしそれを性格と判断して指導してしまうと、その生徒は更にひどいショックを受け心の傷を残したままの学校生活を送るようになります。そのような事がないように、指導してくださる事を希望します。
先輩からアドバイス
PMSで悩む女性へ
 昔にPMSで悩んでいた先輩お母さんからのアドバイスを1つピックアップしてみました。
Nさん(50代)
 現在は月経前症候群などと認識されていますが、今考えると50才の私にも思い当たる事がたくさんあります。その時にはもう少し主人が理解してくれればという感じではありましたが、当時はそんな認識はあっても頑固な男性が、理解する努力など考えられない状況の様でした。それこそ“たるんでいる、だらしない、気合いをいれろ”など返って怒鳴られる事が予想されました。そこでお姑さんに相談した所、マッサージを受けてみたらといわれ、お姑さんと2人でマッサージに通いました。すると10年以上悩んでいた不快な症状は、半分以下に押さえられてすごくらくになったのを覚えています。良き理解者がそばいいたことをもっと早く気がつけば良かったと思いました。お姑さんは当時は更年期で通院、私は今でいう月経前症候群の不快症状で通院していました。核家族化が進む中、誰にも相談できない女性が多いのではと思い、先生がPMSの事をHPにのせてみたいというので、協力しましたが、正直にPMSとは何ですか?と訪ねる始末でしたが、なるほど先生から話を聞くうちに、これは全く昔の私の事だと思いました。当時、主婦の井戸端会議でこの手の話をしましたが、やはりマッサージや鍼治療に通院している方が多かったと思います。家の娘も先生方にお世話になってから、不快な症状はあまりうったえないといっておりました。毎月の事ですから気にしないで済むと本当に楽です。理解し合える人との会話も自分が落ち着く方法だったかも知れません。
コメント
 Nさんアドバイスありがとうございます。PMSに悩む女性は、先輩である母親やお姑さんなどに相談をしても良い糸口が見つかるという事ですね。マッサージの宣伝までしていただいて恐縮です。生活面では良き理解者となってくれる人に相談する事が大事だという事ですね。やはり核家族では、まず旦那さんが理解者になる事が良い気がする事も示唆しています。また私たち治療家もこういった問題に関して、日頃から研究し対応しなければならないと感じました。私たち治療家も一緒になって取り組む姿勢が必要ですね。さらにいろいろ追求して行きたいという気になってきました。

 まず気になる不快感を削除するために治療を受けてみましょう

 肩こりや頭痛、吐き気などはPMSでなくとも起こります。イライラだって特別な日でなくとも起こります。まずは自分の体調をしっかりと調えましょう。コンデションが整っていないうちに月経を迎えると、ほとんどの人が不快な症状を訴えるのは当然です。積極的に行動を起こして、あせらずゆっくりと自分本来の万全な体調をみつけましょう。ゆったりのんびりとした生活環境を整えられるように願っております。
 その一つの方法として、マッサージや鍼治療を取り入れる提案をしたいと思います。治療直後に気分が爽快になり、楽になったと実感できます。

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