腰椎椎間板ヘルニアは、脊柱管狭窄症と同じような臨床所見を持っています。ゆえに素人では見分ける事が非常に困難であり、MRIのない病院では医師の診断にもあいまいな点が指摘されている様ですし、私自身も非常に難しいと思います。私の担当したケースでは椎間板ヘルニアと脊柱管の狭窄が両方存在したというお話を聞かされた事もありました。
腰椎椎間板ヘルニアの臨床所見は、圧迫と炎症が主な問題です。ヘルニアという意味は突出する、脱するという意味で、腰椎の椎間板の中央にある随核(ずいかく)が突出して、後方部の脊柱管を通過する神経を圧迫すること、そして随核が突出した部分の炎症がこの腰椎椎間板ヘルニアの正体です。脊柱管狭窄症と同様な所見が出るのは、神経を圧迫しているのが随核であるのか、脊柱管の狭窄であるのかの違いで、神経圧迫という状況は同じなのです。ならば、MRIの診断により速答がでるものと思います。