腋窩神経麻痺
 腋窩神経麻痺を考える   こんた治療院
 
  えきか        
 腋窩神経麻痺を考える
 
 

 腋窩(えきか)神経麻痺とは、聞き慣れない麻痺の名前かもしれませんが、実は自然に起こるものは少なく、打撲や圧迫(松葉杖 まつばづえ)などの外傷性によって起こるものなのです。この様な打撲や圧迫の外傷性の状況において、鑑別に相当するものは、回旋筋腱板損傷(損傷には筋断裂)が考慮診断され、現在ではMRI等による診断で可能になっています。
 腋窩神経麻痺は具体的にどういった事から起こるのかなどを取り上げて考えてゆきたいと思います。

 
  どんな症状がこの腋窩神経麻痺なのでしょうか?
 

 症状はまず、打撲や圧迫の直後より腕が上がらないといった状況に陥ります。これは腱板損傷においても同様に腕は挙りません。そしてこの腋窩神経麻痺は上肢〜指へとしびれが生じてきます。特には親指と人差し指(橈骨神経側)のしびれが強く現れます。また、肩の部分(三角筋)の知覚異常があります。
 もちろん外傷性の場合は、単独でこれらの症状は出現しませんので、他の合併(肩関節脱臼、亜脱臼など)も考慮に入れておかなくてはなりません。

原因における
具体的臨床例
 
ケース1
圧迫

1-1 このケースは、松葉杖による腋窩の圧迫によって起こったケースです。松葉杖の使用に関して経験が浅い時期や、または子供に起こり易いもので、松葉杖を腋窩で支える動作が問題になります。通常は、松葉杖は腕で支えるのですが、子供の場合は腋窩を支点にして杖を使うのでこうした事に注意が必要です。また、緊急で病院で処置をするので、こうした使用注意を受けていても、なかなか子供が上手に松葉杖を使っているかなどのチエックが入らないでいると、こうした事にもなります。

1-2  このケースは、他院にてマッサージの治療を受けた際に起こったものです。腕の付け根といわれる一般的には肩関節の接合部を集中的に強く押され、施術直後に腕が上がらなくなった例です。内出血を認めるほどの強い圧迫です。
 

ケース2
手術

 上腕の手術の際に、長時間圧迫されて起こったケース。腋窩を圧迫固定されていたために起こったもので、手術の内容や後遺症との合併により見逃され易い。特に三角筋の知覚異常や挙上障害などはこうした手術の為に確認しづらい為に、その鑑別に苦労する。さらに術後に起こった橈骨(とうこつ)神経麻痺などによって、そうした合併の為に橈骨神経(母指と示指へのシビレ)の判定が難しく、術野以下の麻痺なのか、腋窩神経からの問題なのかを鑑別しなければならい。

ケース3
打撲

3-1 打撲によるケース。脚立から落ちて肩を強打したケース。当初は、肩関節付近の炎症によって上肢の挙上ができないということで来院。病院にてMRIの検査では回旋筋腱板損傷の損傷はなく、五十肩様の問題だろうとされていた。患者の訴えを詳しく聞くと、三角筋の知覚異常と橈骨神経領域のシビレが確認でき、再度病院にて受診してもらい腋窩神経麻痺の診断を受けた。
3-2 その他、スポーツにおける怪我として、ラクビーや乗馬での転倒などでもこうした腋窩神経麻痺を引き起こします。


 

  腋窩神経麻痺はどれくらいで回復してきますか?

 
原因における
具体的治療例

 基本的には神経損傷の程度により回復時期が変わってきます。

ケース1
圧迫

 この程度の圧迫における神経麻痺の多くは、神経は不全麻痺の状態が多く、鍼治療をしながら早くて1ヶ月程度で完治して来ます。但し、長期間の松葉杖の圧迫により長期間の痺れを訴えている人は、神経のみならず血管系の問題もあり、医師の充分な診察が必要です。

ケース2
手術

 通常は圧迫における問題ですので、ケース1と同じ程度で肩関節使ってを挙上できる様になりますが、以下の損傷した各神経回復はだいたいが次の通りです。
◎上腕骨骨折におけるプレート固定術の際に、合併して起こる橈骨神経麻痺は早くて約4ヶ月から6ヶ月。不全麻痺の状態ですと1ヶ月〜2ヶ月。
◎骨折により神経断裂縫合術などの回復は早くて5ヶ月から6ヶ月。完全麻痺の状態ですので、神経が正常に再生されて動き出すまでには7ヶ月はかかります。

ケース3
打撲

 打撲した組織の障害の程度により回復が違います。関節周囲に炎症がひどい場合やそれをきっかけに年齢により、慢性の肩関節炎いわゆる五十肩に移行するケースもあります。

 

  改善に向けて、どのように管理してケアしてゆくのが良いのでしょうか?

 
急性期・活動期
のケア

 手術後の問題に関しては医師の診察のもとにケアプランを指示してもらいましょう。
  肩の炎症が強い時期、または急性期には、炎症をおさえる治療を中心に行う。

 三角巾を使って肩関節にかかる負荷を取り除いてあげます。

慢性期のケア

 ケース1,3の場合は関節の運動制限の解除処置として関節可動域をひろげてゆくため関節を使った運動をはじめる。
 ケース2の場合は、骨折の回復と関節の拘縮の具合を診ながら、神経回復と同時進行の治療が必要。更に術後の上腕の浮腫を早期に取り除く必要がある。

 慢性期には、不用意に肩をクーラーなどで冷やさないように注意する。

 ストレスがたまりやすく、イライラしやすくなるので、気分転換を心掛ける。

 肩関節のみならず、首や背部の筋疲労も解消する必要がある。

 その他、外傷やオペ後の問題に関しては委細アドバイスは個人差があり、担当医師のもとにリハビリを行う事が望ましいケアであることを付け加えておきます。


 
 
難治なケースは鍼治療

 特に改善の方向性が見当たらない、難治なケースは鍼治療をお勧めいたします。時期的な事ですと1ヶ月を超えても動きが出てこない事や、なんらかの治療をしていない場合は神経回復の為の環境が整っていないという事です。この場合は上肢に筋萎縮が起こってきますので、こうした二次的合併症を防ぐ事が必要になってきます。

腋窩神経麻痺の治療について
治療指南
 鍼治療を行いましょう

 このような末梢神経麻痺の治療には、鍼治療が非常に効果があります。治療開始は早期であればなおさら回復の見込みは、早いと言えるケースが多いでしょう。ただし、数回の治療でという簡単なものではありません。神経損傷の具合によって判断されるものです。安易に考えず、しっかりした回復へのケアプランを立てる事が大事になります。

 鍼と併用してマッサージを行う

 鍼治療と共に、こんた治療院では併用してマッサージを加えて行きます。神経回復の為のアプローチと神経支配の筋肉の萎縮を防ぎ、神経回復以前にの各部の運動能力を低下させない為のアプローチを同時に行うのです。

 自分で動かしてみましょう!(自動運動)

 少しずつ動くようになったら、担当する先生の指導を受けてリハビリをしましょう。病院だけでの治療でなく、毎日コツコツと自分の為にあせらずゆっくりと動かしましょう。私は自分では顔面神経麻痺になったことがありますが、その時に、なんでこんなに動かないものなのかと、イライラした経験があります。しかし、やはりコツコツとやる事に意味がある事はその回復と供にわかってきました。ぜひやってみましょう。

 患部の筋疲労には注意!

 麻痺している筋肉が過度な疲労をきたすと、今度は回復においてブレーキになる事があります。このため、麻痺をした神経と支配されている筋肉の回復状態を見極めながら、担当の先生の指導のもとに運動や社会復帰の為の計画を考えましょう。

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